スペック
全長:   70メートルほどまで伸びる。
性格:   おとなしく、ただそこにいるだけの場合が多いのだが、その巨大さゆえ、遭遇した船乗りたちはパニックに陥り、誤操作によって沈没する場合もある。
特徴:   嵐で海が荒れてる時、突如海面からそびえ立つ。何本か出てくる場合もある。
出没地:   大時化の時、夜に現れることが多い。 
弱点:   日の光を嫌い、天気が良い日に現れることはまずない。

「海柱」はその昔、「海の怪物」として恐れていた妖怪だ。
彼らは海で命を落とし、仏教でいうと「成仏(じょうぶつ)」できなかった人間の成れの果てとされているのだ。
彼らの多くは船乗りだったり、漁師だった。
しかしこの世に強い未練があったり、復習の念があったりすると「海柱」に変化(へんげ)するのだ。
大時化(しけ)の時に大波の間ににゅっと柱がそびえて通りすがりの船に倒れて襲いかかり、転覆させることもある。
しかし大半はただそこにいて船を見ているだけの場合が多い。
生前の時の性格や亡くなった原因によって違うのだろう。
とにかく遭遇した時は、早く成仏するよう遠くから見守ってあげるのが無難であろう。


ヨーロッパの海の怪物

 いにしえから大海と深海は人がまだ入り込んでいない、神秘的な世界だった。
人はそこで見た大きな生物は恐ろしいものに見えたのだ。
それが人から人へ大げさに言い伝えられ、空想と妄想が現実の話に付け加えられ怪物伝説は生まれた。
ルネッサンス時代の世界図などを見ていると海の真ん中に大きな怪物の絵が描いてあったりする。やはりこういう生物が生きていると考えられていて、危険な場所だと認識していたからだ。まだ当時はあまり知られていない鯨のような大きな動物も怪物に見えていたのだ。
しかし現存する動物以外にもギリシャ伝説の怪物やらキリスト教とむすびつけた「海坊主」など空想上の怪物も数多く作り上げられた。


現実にある動物を昔の人が海の怪物と勘違いした例:

 

くじら:
アイスランド沖の漁師たちは時々遭遇していたこの巨大な生き物を「悪魔のくじら」と呼んでいた。中には人間をも食べると信じられていた。
 

 

豚くじら(海猪):
これは昔の人が始めて見たセイウチだと思われる。


エイ:
昔、エイは剥製師のイタズラによって化け物に変えられ、愛好家の間で持てはやされていたのだ。
 
一角獣:
一角獣は今で言う北極圏に生息するクジラ目ハクジラ亜目イッカク科に属するイッカクの事だ。
昔の人にはこのように恐ろしい怪物に見えたのだ。

巨大なタコやイカ:
様々な海の伝説に登場する怪物ダコや怪物イカ。北欧伝説ではクラーケンとも呼ばれている。中には船を襲う恐ろしいものもいる。
   

 

想像上の海の怪物:


レヴィアタン:
レヴィアタンは旧聖書にも登場する巨大なヘビの怪獣だ。
災いを起こしたり、世界を破滅する力をもっていると言われている。
   
セイレーン(人魚):
古代の伝説、神話にはセイレーンが美しい歌声で船乗りたちをおびき寄せ、船を沈没させるというお話がたくさんある。
このころのセイレーンは海辺に住む半人半鳥であったが、中世に入って半人半魚のイメージが定着し、その美貌で船乗りを惑わすという風になった。 

 シーライオン:
ルネッサンスの博物学者コンラート・ゲスナーが想像したもの。
 
海男:
ロシアの文献に紹介された怪人

 海坊主:
半人半魚。
怪物にもキリスト教徒がいるのか・・・
   
海の大主教:

半人半魚のこの怪物のヒレは大主教のケープのようになっている。






舞台: 
コルドゥアンの灯台 - 
Le phare de Cordouan


コルドゥアンの灯台は別名「海のヴェルサイユ宮殿」、「灯台の王様」、又は「王様の灯台」と呼ばれ、フランスの現役の灯台では一番古いのだ。
9世紀に時のフランク王国の国王、カール大帝が息子のルートヴィヒ1世に現在の場所に塔を建てることを命じたことから始まる。
百年戦争真っ只中の1362年にその地を支配していたイングランドの王太子エドワード黒太子が、祖国との経済交流を促進するため塔に灯を灯すようにしたが2世紀後に塔は破壊された。
15世紀にアンリ3世が塔を新たに建てたのだが1645年の大嵐により上層部が破損し、最終的に今の形になったのは17世紀半ばだったのだ。


左下の絵にもあるように、当初は今の灯台(右下)とは異なる形をしていた。
しかしこれも100年ほどたって嵐によって上層部破壊され、今のようなルイ16世風の建築が取り入れられた。

1階は玄関、
2階は「王の間(appartement du Roi)」と呼ばれる部屋があり、床は白と黒の大理石に覆われ、天井はアーチ型、本物の暖炉が設置され、壁の柱には国王ルイ14世とその王妃マリ・テレーズの肖像画で装飾が施されているという豪華なつくりになっているが、国王の誰一人として滞在したことはないそうだ。
3階は礼拝堂。 8つの窓とステンドグラスがある。
4階は「ジロンダンの間」と呼ばれる明るい広間がある。
5階6階は踊り場、
5階と6階の間に当直室があったが今ではライトが自動化されているので灯台守は塔の下にある住居でくらしている。
そして最上階には1948年に電気化された灯がある。

 
17世紀のコルドゥアンの灯台


現在のコルドゥアンの灯台

 



フランスの様々な灯台


灯台は昔からフランスの沿岸の景色に馴染んでいた。
それらを点灯させては消したり、設備の維持、管理をするのが燈台守だ。
そのために彼らは何日も海の真ん中に住んでいたのだ。
その灯台の中には大海原の真ん中の暗礁や小島に建つものもあれば、大陸の岬などの岸辺にあるものまである。

フランスの燈台守たちの間では孤島にある灯台を「地獄」と呼び、少し大きな島にあれば「煉獄」、そして大陸にある灯台を「天国」と呼んでいる。
どうやら孤独な住み心地の悪く、アクセスも悪い所は評判が良くないようだ。
だからそこに行かされるのは新米の燈台守だった。
少し経験を積むと、大きな島にある「煉獄」灯台、そしてやっと「天国」灯台へと出世するのであった。
しかし少し前から灯台も自動化され、多くの灯台には誰も住まなくなった。
そんな灯台は今では実験を行う場所となったり、見学を行ったり、ホテルに改装されているものまであるそうだ。

ではここでフランスの海岸の少し変わった灯台を紹介しよう。


筒状の灯台:
(周りに円形の壁が建ってる)
テニューズの灯台
(ブルターニュ地方)



おうちの灯台:
ミリエの灯台
(ブルターニュ地方)

「教会の塔」型の灯台:
ランバオンの灯台
(ブルターニュ地方)

ロケット型の教会:
ボディックの灯台
(ブルターニュ地方)

四角い塔の灯台:
トリアゴズの灯台
(ブルターニュ地方)

修道院の廃墟に建つ灯台:
サン・マティウの灯台
(ブルターニュ地方)


双子の灯台:
ピリエの灯台(ロワール地方)


アール・デコ建築の灯台:
「サン・ポールの火」
(ノール・パ・ドゥ・カレ地方)

要塞式灯台:
ヴォーバン・タチウの灯台
(ノルマンディー地方)

「世界の果ての灯台」:
ラ・ロシェル(ポワトゥ・シャラント地方 )
南米パタゴニアにあった灯台の複製

太陽電池式灯台:
セルベール岬の灯台
(ピレネー・オリアンタル地方)

ジェノヴァ共和国の監視塔:
コルシカのジェノバ塔 (コルシカ島)
  16から18世紀に海上からの攻撃を防ぐため海岸沿いに建設されたジェノヴァ共和国時代の塔。
(夜は灯が灯されていた)






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