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スペック
   
全長:   2メートル
住みか:   日中は崖の間に潜んでいる。
食べ物   遭難船の乗組員。生きたままでも食べる。
出没地   霧が濃い日や海が荒れている夜間に尻尾の火を灯して現れる。
性格:   とにかく自分の存在を隠す。 遭遇すると証人を消そうと食べられてしまう。出くわしたら気づかれないようにそっと退散すべし。
     

いざな火」は人間が妖怪に変えられてしまったというストーリーだが、ブルターニュの伝説で一番有名なのは半魚人に変えられてしまったマリー・モルガンヌの話だろう。

その昔、ブルターニュの中の大国の王様の一人娘ダユ-が父に美しい街を作ってくれとせがんだ。すぐに王さまは海のど真ん中にこの世のものとは思えないくらいに美しい街、「イス」を作ってあげた。街は海底に作られたのだが、水が入り込まないように周りは高い城壁に囲まれていた。どんなに素晴らしいところでも、ダユーはすぐに退屈になった。そして大陸に行き、そこで毎晩、男を捕まえ、イスに連れ込んでいた。絹の仮面をつけさせ、翌日その仮面は鋼鉄の爪に変わり、一晩の男を殺してしまうのだった。

そんなある日、どこかの王子とであったダユーは恋に落ちた。王子は愛情の証にイスの城門の鍵をもってきてくれと頼んだ。ダユーは父、国王の目を盗んで、鍵を恋人の所に届けた。実はその王子は神様が彼女の元に送ったサタン本人だった。城門はこじ開けられ、イスの街は海底に沈んだ・・・・海の上を走る馬に乗り逃げだすことのできた国王たち。側近の聖グエノレは王にこれは神の天罰だといった。ここで娘を海に投げ出さないと彼らは海に飲まれてしまうとの神のお告げをうけたと言う。それを聞いた王はダユーを海に投げて助かった。

こうしてダユーはマリー・モルガンヌという人魚に変えられた。以来、ここを通る船乗りたちは彼女の誘惑にまどわされないようにいつも警戒しているのだ。
「いざな火」も船乗りを脅かしている人魚の部類なのだ。


ダユーを海に捨てる国王(右)。左は王に忠告する聖グエノレ。




舞台: ウエッサン島 - L'île d'Ouessant

古いブルトン語のことわざに「ウエッサン島を見る者は己が血を見、サン(Sein)島を見る者は己が終わりを見る」というのがある。この島の周辺は難所だらけで、昔から遭難船が多い地域なんだ 

   

伝説か真実か・・・難破船荒らし

ブルターニュ地方の伝説にはよく難破船荒らしの話が出る。天候が悪い日や夜に牛の角にくくりつけたランプで迷った船を暗礁に誘導して、遭難したところを襲う。フランスでは時代によって、遭難した船の積荷は海岸の住人の所有物になったときもあり、17世紀では持ち主の請求がなければ、国のものになった。

しかし実際にはその法律は守られていなかったことがおおかった。役人たちが来る前に家に持ち帰ったり、海岸に隠したりして自分のものにしてしまうのだった。それは食料だけでなく、家具、船のパーツなども持っていかれた。ウエッサンでは使いまわされた木材や家具は違う色のペンキで塗られてカモフラージュしていたんだ。でもそれを目当てに船を遭難させたというのは、どうやらこの行動から連想した作り話のようだ。

この島では朝方、お散歩がてらに海岸を歩いて、なにか海からの「贈り物」がないか探すのが習慣になった。目ぼしいものがみつかり、大きすぎてその場で持ち帰れない物には大きな石を目印に上に置き、他人にとられないようにした。今でも浜辺に打ち上げられたものは最初に見つけた人の物、という風習が残っているそうな・・・


牛の角にランプをくくりつけて遭難させる難破船荒らし


出番を待つ人たち


ブルターニュのコワフ

フランスの民族衣装にはブルターニュをはじめ、ノルマンディー、プロヴァンス、アルザスでも女性は「コワフ」と呼ばれる被り物をしていた。でもブルターニュ地方だけでもコワフの形は様々なんだ。ここにいくつか紹介しよう。


ビグデン地方のコワフ:
縦長に立っている。


ポン=タヴェンのコワフ:
輪っかが2つある。
(ゴーギャン画)


ケンペルのコワフ:
ちょこっと小さく乗っけて
レースのリボンでつなぐ。



ヴァンヌのコワフ:
屋根のように
両端が広がってる。


カレー(Carhaix)のコワフ:
丸く平たい。




    ウエッサン島のコワフ
 
ウエッサン島のコワフは、実は縦長のビグデンのコワフとは違うのだ・・・ 風が強い日が多いので、飛ばされないように小さくなっている。
ウエッサンの服装は質素で、子どもと結婚前の女性以外は色ものを着てはいけないのだ。



 

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